sipon:「私、自信無いよ…」end
片瀬志麻(しーぽん)はそう言って、初めてのパイロットスーツに袖を通した。 クラスの他の子達は既に着替えを終え、更衣室を後にしている。 しーぽんはそこにあったバスタオルを体に巻くと、遅れながらもその後を追った。

「片瀬、そのバスタオルは何だ?」
予科生の列の前で立ち止まると教官が言い放った。

sipon:「だ…だって…」end

sipon:「あ…」end
バスタオルがしーぽんの体から滑り落ちる。

「他のみんなも!」
しーぽんの真似をしてバスタオルを巻いた数人にも、教官の注意が飛ぶ。
「ん? …片瀬?」

しーぽんの様子がおかしい。頬を赤らめてじっと俯いている。 よく見ると気のせいかスーツが透けているように見える。
sipon:「あ…あの…、その…私のパイロットスーツ…」end

「なんだこれは!」
しーぽんのスーツがばりばりと剥がれ落ちる。…いや、これはスーツではなく塗料のようだった。

「片瀬、一体どういうことだ、説明してみろ」
sipon:「えっ…と、スーツに着替えようと思ったんですけど、色々じゃまな物をどんどんとっぱらっていっちゃったらこんなんなっちゃって…その…すみません」end
「ふぅ…」