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犬には犬の幸せ
every dog has his days は、誰にでも人生のどこかではいい時期がめぐってくるよということわざ。このフレーズが使われるときは、いわれた本人が辛い時期にあったりみじめな状況にあって慰められているというシチュエーションが多いようだ。「犬にさえいい日があるんだぜ。がんばれよ」とか「犬よりマシさ」というようなニュアンスが含まれていることが多い。
犬よりマシといえば『My life as a dog』という映画がある。不幸な主人公の少年は、「それでも人工衛星に乗せられたまま餓死したライカ犬よりは、僕の人生の方がマシだ」と自分自身に言い聞かせ続ける。かわいそうな犬は人生の不幸の比較対象として使われていた。
でも、犬の立場になって声を大きくして言いたい。犬はそんなに人生の最下層にいるのか。犬にだって、人間よりは上等な幸せがあるんだ。動物だからといって、ヒエラルキーの最下層にいるわけじゃない。犬には犬の幸せがある。それはきっと、えーっとえーっと、骨を庭に埋めるときとか、ごはんをたらふく食べて居眠りするときとか、ボールを追いかけたまま帰ってこないときとか、いろいろだ。
このイラストの犬だって、おばかな顔をしているけれど、この上なくしあわせそう。犬の幸せを見ならって、こんな風に生きていければ幸せだ。
人工衛星スプートニクに乗せられたまま、地球をくるくる回って餓死していったライカ犬の人生は誰もがいやだけれど。スプートニクから地球を眺めながら、お腹を空かせたライカ犬はなにを考えていただろう? やっぱり食べもののことなんだろうね。ライカ犬のために合掌。
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