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豆は栄養いっぱい
子どものころに食べた金時豆の煮物は、甘くてお菓子みたいだった。晩ごはんの時間なのに正々堂々とお菓子を食べているみたいでトクした気分。これはとても嬉しい。大豆の煮物は、鶏肉やにんじんや昆布が入っていて立派なおかずの風格を備えている。子どもには太刀打ちできないくらい立派な大人のおかず。豆は甘いものだと思いこんでいた意識をガツンと変えられてしまった。とりあえず鶏肉をより分けて、大人っぽい大豆だけを食べた。
もっともっと大人になると、外国の豆たちといろいろな場面で出会うことになる。
キドニー豆は、ドレッシングで野菜と和えられてサラダになってでてきた。豆がサラダとはどういうことだ。ひいおばあちゃんが生きていたらきっと怒り出すにちがいないと思いながらも、美味しくいただいた。甘く煮て食べていた金時豆とは、今度はチリビーンズなんていうスパイシーな代物になってハンバーガーショップで再会した。レンズ豆はターメリックと一緒に煮込まれて、インディアンレストランで出された。豆とカレー。カレーライス派には想像もつかなかった組み合わせだった。それにヨーロッパ風に鶏肉とトマトソースと一緒に煮たヒヨコ豆。世界中の人々がいろいろな豆をいろいろな調理方法で食べているのだ。
full of beans は、馬に豆の餌をたくさんやると元気いっぱいになったことから由来してできたイディオム。『豆がいっぱい』なのではなくて、『豆をいっぱい食べたから元気いっぱい』なのだ。馬だって食べる豆。モリモリ豆を食べて元気になろう。
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