BONE OF CONTENTION
争いの種、不和のもと

上を下への大騒ぎ

 若き商売人リーバイ・ストラウスが生み出したジーンズ。
 最初はただのキャンバス地の丈夫な作業ズボン、つまりオーバーオールだった。それが当時のカウボーイや開拓民に大人気。みんなの丈夫さ追求ニーズに合わせて、改良に改良を加えていくうちにいまの原型のブルージーンズになっていったのだ。これは、消費者の声に耳を傾ければ、商品は必ず売れるというすばらしい見本。しかも「馬がひっぱりあっても破れない」と商品ラベルにまで頑丈さをアピールする宣伝手法もお見事。

 そして、いまやお洒落の定番アイテムとなったジーンズ。ビンテージにはとんでもない値段のプレミアがつく、ジーンズの似合う著名人を選び出すジーニストコンテストは催される、デザイナーズブランドまでジーンズ、とジーンズをめぐって上を下への大騒ぎ。

 bone of contentionとは、2匹の犬が1本の骨を争い、ひっぱりあって喧嘩をしたことから、争いの種や不和のもとをさす意味になったこの言葉。あなたのジーンズのラベルをよく見てみよう。いつのまにか、ジーンズを引っ張りあっている馬が、骨を引っ張りあっている犬に変わっていない?