What is VRML(Virtual Reality Modeling Language)

私の卒論を一部編集してUpしました。卒論を書いたのが1997年なので、情報としては多少古い面もありますが概要はつかめると思います。参考程度にどうぞ。ここをコピー&ペーストすれば、卒論の一部となることでしょう(笑)

1 VRMLとは

VRML(Virtual Reality Modeling Language)とはインターネット上で3次元空間や3次元物体をリアルタイムに表示するための言語であり、専用ブラウザや専用プラグインソフトの組み込まれたブラウザ上で見ることができる。これまで、インターネット上では2次元のデーターしか見ることができなかったが、VRMLではその制約を取り払い3次元の仮想空間を表示できるように作られた言語である。さらには、自分の意志に従って3次元空間内を自由に移動することもできる表現技術を持つ。すなわち今までインターネットの世界は平面的な2次元の世界しか表現できなかったものを、空間的な広がりを持つ3次元空間に拡張することを可能とした技術で、最近インターネットの分野でも注目を集めている言語の一つである。つい最近まで3次元グラフィックスの分野は、きわめて高価格の3次元グラフィックス処理用ワークステーションでしか利用のできない分野で一般的ではなかったが、VRMLは普通のパソコンをインターネットに接続することで、家庭用パソコンとモデムのみでも利用ができる技術なのである。パソコンの急速な性能の向上によって、今までなしえなかった3次元仮想空間内のウォークスルーを可能する環境が整ってきている。現在VRMLのバージョンは1994年11月に決定されたバージョン1.0と1996年8月に発表されたバージョン2.0が存在する。バージョン1.0では、インターネットを最初に3次元空間化した画期的な技術として取り上げられたが、初期から技術的には不十分な点も指摘されており、それを改善したバージョン2.0が発表された。具体的には、バージョン1.0では自分以外の物体が動かない静止画のような空間しか作ることができなかったが、バージョン2.0では自分以外のものも3次元アニメーションのように動かすことができ、またサウンド機能などといったマルチメディア機能をサポートしてより現実的な仮想空間を作成することが可能となっている。

2 VRMLの特質

VRMLはインターネット上で3次元による仮想空間を表現するための、世界的に認知されたデファクトスタンダード(業界標準)技術である。この3次元仮想空間を創り出すVRMLの技術の開発は、世界の3次元グラフィック技術の専門家達の叡知を結集して進められたものである。VRMLの仕様決定にもインターネットが有効に利用され、従来では考えられないような短期間で、かつ民主的な方法で開発が進められてきた。まさにインターネット時代ならではの新技術と言えよう。3次元グラフィック分野における世界のトップクラスの技術者が規格を定めたことにより、VRMLが生まれた当初からインターネット分野での3次元仮想空間の表示技術としては一気に標準として認められる存在になった。この分野に関心のあった技術者ばかりではなく、有力ソフトウェアベンダーやハードウェアベンダーの多くが支持を表明して、積極的に対応を進めたり、製品開発を進めたりしてきている。この動きのおかげで、さらにVRMLの地位を固めることにつながり、さらには、より優れた機能を取り込もうと急速に進化しつつあると ころである。

3 VRMLの動作環境

VRMLは基本的にプラットホームを選ばない言語であり、HTMLをブラウザで見るのと同様にVRML専用ブラウザか、Netscapeなどに代表されるブラウザにVRML専用プラグインソフトを組み込むことで再生する事ができる。再生速度はマシンパワーとOSに依存する。

3.1 UNIXワークステーションでの動作環境

UNIXワークステーションにおいては、普通ののPCよりも高性能であるために通常動作環境としては優れているものの、UNIXワークステーション用のVRML専用ブラウザなどの種類が少ないという難点がある。シリコングラフィック社のマシンは元々画像処理系に優れたマシンであるので、ワークステーションでは最も処理速度が早くVRMLに向いたマシンと言えるが、個人レベルではマシン自体が高価であるために現実的ではない。SUNを始めとするその他のUNIXワークステーションではまだVRMLをほとんどサポートしておらず、シリコングラフィック以上にブラウザなどの選択の余地がない。

3.2 PCでの動作環境

VRMLを初めとして3次元グラフィックをできる限り快適に動作させるには、CPUパワーや多くのメモリを必要とする場合が多いが、近年のパソコンの目覚ましい進歩によって一般的なパソコンでも十分に動作する。専用ブラウザが最も充実しているのもパソコンである。OSについては、Windows 95、Windows NT、Macなどに依存することはHTML同様にない。しかしながら、Windows 3.1に代表される16ビットOSではグラフィック処理の面において32ビットOSに比べて劣るために、32ビットOSの使用を強く推奨される。

4 VRMLの仕組み

4.1 処理形態
VRMLは3次元グラフィックスを扱う言語である。VRMLではリアルタイム描画による3次元グラフィック表現方法をとる。従って、複雑な3次元画像になるに連れて、マシンの処理速度に依存して描画スピードは遅くなる。この「描画」のことを3次元グラフィックの世界では特に「レンダリング」と呼ぶので、VRMLの提供する世界は、リアルタイムレンダリングで提供されると言う。

4.2 ポリゴン
ポリゴンとは繋ぐと面の縁が形成されるような頂点のリストのことを言う。頂点リストの最初と最後を繋ぐことで必ず縁が形成されるようになっている。VRMLにおいては、このポリゴンの座標がプログラムの大部分を占める。3次元空間が複雑になるとこのポリゴンの数が増え、動作速度が遅くなる。

4.3 モデリング
ポリゴン同士を繋げることでできる物体の形状に関して、その特徴を抽出することを「モデリング」と言う。モデリングには「ワイヤーフレームモデル」「サーフェースモデル」「ソリッドモデル」の3つのモデルがある。

4.3.1 ワイヤーフレームモデル
3次元物体の輪郭の稜線をワイヤーで結んだモデルである。従ってワイヤーフレームモデルには面という概念はなく、全て線だけで表示される。

4.3.2 サーフェースモデル
面だけで3次元物体を考えるモデルである。前述のワイヤーフレームの情報に面のループ情報を加えたものである。

4.3.3 ソリッドモデル
ソリッドモデルは単位表面の情報だけではなく、物体の重心や屈折率などの情報を求めるために中身が詰まっているモデルのことである。

5 レンダリング

VRMLではモデリングの後に、レンダリング(描画)を行う。レンダリングには2つの段階があり、まずは3次元物体の見える部分を決定するという段階(陰面消去)で、第2段階はシューティングと呼ばれる3次元物体に色を付ける段階である。この2段階を踏んで初めてブラウザに3次元空間が表示される。

6 VRML独自の機能

6.1 ノード
VRMLオブジェクトを示す用語で、ノードは3次元物体の形状、質感、色調などを定義する。これらのノードを体系的、階層的に組み立てることで、VRMLシーンを構築する。VRMLノードには、図形ノード、属性ノード、グループノードの3種類がある。

6.2 アノテーション
VRML内に表示されている3次元物体に対して注釈をつける機能が、アノテーションである。VRMLで作られた3次元物体にはURLなどのリンクを張ることができ、もしリンクを張った場合マウスがその物体に近づいたときに、注釈としてリンク先が画面上に表示される。

6.3 ウォークスルー
VRML専用ブラウザや、専用プラグインが入ったブラウザで、VRMLファイルを再生すると3次元空間が表示されるが、この時マウスやキーボードを使って3次元空間内を自由に動き回ることができる。この機能のことをウォークスルーと呼ぶ。


Please Mail to mako@ny.airnet.ne.jp

Go to Makoto's Home Page

Go to Fuchi Lab. Home Page