ルッツの日記 1,元勇者ルッツ,0

肩書が元勇者だというのも、何かの冗談だったのかもしれない。俺が信じてきたものは、すべて嘘の上に築かれていた。それが崩れ落ちる音を聞いたとき、この世界から去ることを考えた。

けれど、そのとき、大食いトドのミーちゃんのつぶらな瞳に、なぜか心を打ち抜かれた。そこにあったのは、理想郷への小さな希望だった。だから、俺は彼女と二人きりで、約束の地を目指すことに決めたんだ。

今は辺境の森で自給自足しながら、次の旅のための準備をしている。

眠れない夜に書き始めたこの手紙が、誰に届くのか楽しみだ。

- 辺境の森の元勇者ルッツ
