わたしの白母様,かわいい狐娘,50

幼いころから、わたしはずっと白母様と一緒でした。白母様は「わたしがいちばんのお気に入りの姪っ子だ」って言ってくれるんです。お父さまはわたしと兄弟たちのことを大切に思ってくれてはいるんですけど、子育てに関しては本当に何も知らなくて……。だから、白母様がわたしたちの家に来て、お父さまが慣れるまで手伝ってくれました。

今では、わたしは白母様の専属の侍女なんです。お仕えするときに着る専用の服まで用意してくださったんですよ。ちょっと変わったデザインだけど、白母様のためならわたし、がんばれちゃいます！
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白母様は長い剣を使うのがとっても上手。昔、人間に剣術を習って、そのあと恐ろしい戦いの中で独自の流派を完成させたんだって。

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でも、その戦いについてわたしが質問すると、すごく悲しそうな顔をしたり、怒ったりするんです。

白母様が剣の型を真剣に振っているときもあれば、ただ優雅に踊っているようにしか見えないときもあって、どっちがどっちだか判別できないくらい。ときどきお友だちを呼んで本気の模擬戦をすることもあります。ちょっと怖いけど、すごくかっこいい……。

わたしもいつか、剣を教えてもらいたいなって思います。
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白母様は白いお餅が大好き。上品な甘さがちょうどいいみたいで、しかもお餅ってちょっとずつ長く味わえるから素敵なんですって。お父さまの家にはお米がたくさんあるので、わたしはよく肩が痛くなるまでお餅をついてます。
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「小さいからこそ、力がぎゅっと集まるのよ」って、白母様は笑いながら言います。

でも、実は白母様が本当に好きなのは、あんこを使ったお菓子なんです。あんこの豊かな味わいが大のお気に入りで、もらうと子供みたいに喜んじゃうから、お父さまはそれを見てよくからかっています。

ときどき、わたしにバレないようにこっそりつまもうとするんですけど、ちゃんと見抜いてますよ。
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今日は下界へ降りる日。白母様がたくさんお菓子を作ったので、山道の近くにあるいつもの場所で屋台を開いて、人間の子どもたちに売るんです。今回の目玉はお団子で、わたしの指はまだちょっとジンジン痛い……。
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わたしたち、耳としっぽを隠すと、まるで親子みたいに見えるんですよ。「白母様とわたし、本当のお母さんと娘みたいですよね」って言うと、白母様はいつも顔を真っ赤にして照れちゃうんです。でも、そうやってかわいらしく照れてる白母様も素敵で……わたしは小さくて愛嬌があるし、白母様は成熟した大人の女性って感じだから、きっと最強の営業コンビです！

それでもやっぱり、お姉ちゃんみたいに白母様のスタイルを受け継ぎたかったな……。胸とか、もうちょっと大きくなりたいよ～……。

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人間の子どもたちは白母様のことが大好きだし、白母様も同じくらい子どもたちをかわいがってます。もしかしたら、白母様自身もたくさん赤ちゃんを欲しがってるのかも……でもまだ運命の人には巡り合えていないみたい。普段はとっても落ち着いていて上品なのに、恋愛の話になるとすぐ照れちゃうんです。白母様、恋に対しては意外なくらいウブなんですよね。こんな調子じゃ、この時代が終わるまでに素敵なお相手と結ばれるのか、ちょっと心配……。わたしががんばって、良い人を紹介してあげなくちゃって思っています。

それまでは、きっとみんなの子どもを自分の子どものようにかわいがるんだろうなあ……。
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白母様に仕えていていちばん幸せなのは、「なでなで」のごほうびをもらうときです。ああやって頭をなでてもらうと、ほかのことなんて気にならなくなるくらい、ふわ～っと安心できて。
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「よくがんばってくれましたね」

そう言って、白母様がやさしくわたしの髪を撫でてくれると、なんだか世界中が味方になってくれたような気持ちになれます。白母様のそばにいられるなら、わたし、どんな明日だって怖くありません！
