週刊冒険者 第6号 《騎乗》,ヨウィン特派員セリア,10,1

<i>ようこそ、『週刊冒険者』へ。冒険者諸君の胸を熱くするホットな話題を毎週お届けしていくぞ！

今回は、ヨウィンで年に数回しか開かれない競り市から、ヨウィン馬の飼育で二十年の経験を持つ厩務長バリスさんに、その人気の理由を聞いてみた。</i>


<color=brown>セリア：今日はありがとうございます、厩務長さん。すごい人出ですね！</color>

バリス：こちらこそ、お嬢さん。まあ、ヨウィン馬のほとんどは王家に献上され、残りは貴族が優先して手に入れる。庶民が良い馬に乗る機会は少ないから、こうした競り市には多くの冒険者が集まるんです。
{p}
<color=brown>セリア：騎乗の利点について教えていただけますか？</color>

バリス：そうですね。まず当然ながら、馬の速度に応じて、騎乗者の移動速度が上がります。さらに、あなたを狙った攻撃が時々馬に当たることもあります。飛べる生き物に乗っていれば、一緒に空を飛ぶことも可能です。

一番大きいのは、生存率の向上です。乗っている馬は、戦闘で倒れても、しばらく気絶するだけで済みます。騎乗の恩恵は受けられなくなりますが、仲間を失わずに済むのです。
{p}
<color=brown>セリア：なるほど。冒険者なら誰でも、戦闘における速度の重要性は分かりますよね。</color>

バリス：（笑）その通りです。逆に、自分より遅い馬だと足を引っ張られます。幸い、ヨウィン馬はティリスで最速なので、妖精でも恩恵を受けられますよ。

もっとも、乗るだけでパルミアまで行けるわけではありません。乗りこなすには「騎乗スキル」が必要ですし、馬にもあなたを運ぶだけの「筋力」が必要です。速い馬ほど、その両方の要求は高くなります。

我がヨウィン馬のように、騎乗しやすく育てられた種は要求が低くなりますが、逆に絶対に乗るべきでない生き物も存在します。
{p}
<color=brown>セリア：難しそうですね！ 今すぐパルミアまで乗って行ったら、私きっと体中が痛くなります…。</color>

バリス：騎乗が上達するには時間がかかりますが、実際に馬に乗って慣れていくしかありません。最初はふらついて攻撃を外したり、魔法の詠唱を失敗したりしますが、馬と息を合わせるうちに徐々に改善します。熟練の騎乗者は、馬と並んで戦うととても強力ですよ。

<color=brown>セリア：わあ！ 乗っている馬も戦うんですか？</color>

バリス：ええ。立ち止まっている間は馬も攻撃します。移動しているときは、あなたに合わせて行動ターンを使ってしまいますがね。当然、あなたと同じく攻撃面のペナルティを受けますが、経験を積めば両方とも克服できます。
{p}
バリス：もう一つ、魔法の扱いにも特徴があります。「騎乗中の仲間にも効果あり」と書かれた魔法は、全体魔法として唱えなくても馬に効果が及びます。その代わり、矢系魔法は二人まとめて命中し、ダメージも倍になります。
<color=brown>
セリア：もし戦わせるなら、馬も装備が必要ですよね。厩務長さんならどう整えますか？
</color>
バリス：そうですね。まず速度が最優先ですから、ルルウィの祝福を受けさせます。それから可能であればスピードの指輪を装備させたいですね。高価ですが投資に見合います。中には馬に様々な変異を与えてさらに速くする不届きな冒険者もいるようですが…あまり深くは考えたくありませんね。
{p}
<color=brown>セリア：なるほど。とても勉強になりました、バリスさん。そろそろ競り市が始まるようなので、今日はこの辺で失礼します。</color>

バリス：こちらこそ、お嬢さん。良い馬が見つかるといいですね。


<i>― 次号では、今回の続編として、ヨウィンの厩務長に「共生」についてうかがいます。騎乗と深く関係する興味深い話ですよ！</i>
