週刊冒険者 第10号 《投資》,シュウ婆さん,10,1

<i>ようこそ、『週刊冒険者』へ。冒険者諸君の大事な財布事情に、今日はこの婆さんが答えていくよ。</i>


今日のお便りは、港町カプールの娘さんからだね。

<color=blue>「シュウ婆さん、ちょっとお金が貯まったので、どこかに投資しようと思っています。一番リターンが大きいのはどこですか？」</color>

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ああ、若さってのはいいねぇ。まっさらで、無知で、そして甘い。いいかい娘さん、投資で金は増えないんだよ。店主にちょっと金を投げて、一生払い続けてもらえる？ そんなわけあるもんか。もしそうなら、婆さんは五十年前に隠居してたさ。


■店と町

若いのがまず覚えておくこと。それは、投資は個別の店にも、町全体にもできるってことだ。町の秘書に投資すれば町の規模が上がり、店の店主に投資すれば店の規模が上がる。

売買するときには、店の規模は、店自体の規模だけでなく、町の規模も加算されるんだ。
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違いなんて気にしない？ それじゃあ、気に入った店主を自分の拠点に呼ぶ時のことを考えてみるといいさ。町にたくさん投資してたら、その店主が拠点に来たときには、当然前にいた町の規模によるボーナスは失われるだろう？

店にたくさん投資すれば、確かにその店の規模は高くなるけど、他の店の発展は遅くなる。

どうだい、厄介だろう？

もう一つ。町への投資は商人ギルドの投資のノルマの貢献度には数えられない。なぜかって？ 婆さんが現役の頃からそういう決まりだからさ。

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■利点

じゃあ金にならない投資に何の意味があるのか。答えは簡単。店の規模が上がれば、品揃えも増えて質も良くなるのさ。何を「良い」と思うかは店次第。宿屋なら栄養のある料理、鍛冶屋なら強い武具、魔法店なら珍しい呪文書。婆さんはパルミアのパン屋に数百万突っ込んだことがあったが、次に行ったときには宮殿に並ぶほどの豪勢なパンを出していたよ。

もちろん保証はない。低規模の店でもレア物を持っていることはあるし、高規模でも欲しいものが出ないことだってある。それでも規模が高ければ、数が多い分だけ欲しい物に出会う可能性は上がるのさ。

それに、投資をすれば町への影響力も増す。金をばらまけば、人は自然と好意を寄せるもんだよ。

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■投資の心得

正直に言うがね、投資にはとにかく莫大な金がかかる。どれだけ稼いでも足りやしない。それでも、少しでも効率を上げる方法はある。

まず「投資」のスキルが良ければ、費用は安く済む。あまり知られていないが、見た目の良さも影響があるんだよ。「魅力」の効果はスキルの半分ってとこだが、難しい金融用語を理解するより、にっこり笑うほうが楽だろう？

町と店への投資は別々に扱われる。片方の費用が高くなりすぎたら、しばらくもう一方に切り替えるといい。
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店の種類によっては、品揃えの質にも限界がある。見込みのない店に延々と投資しても無駄だよ。

以上、どんくさい孫娘でもわかる簡単な投資講座さ。さぁ、あんたも地元経済の柱になってきな！


<i>次号は魔術師ギルドを訪ねて、「集団での魔法戦」を学ぶよ！</i>
